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フラの歴史【2】「フラ」は言葉

<平成30年10月『 いわき市シティセールス基本方針』より抜粋>

■「フラ」は言葉

ハワイの雄大な自然(イメージ)

 「フラ(hula)」はハワイ語で「踊り」の意(※注1)ですが、フラで表現されるのは自然への讃歌、あるいは、自然という形で存在する神々への讃歌です。はじめに自然や神へ捧げる詩が生まれ、それに節がつき、振りがつけられてフラとなる、フラは詩の延長上にある存在です。

 ハワイ文化にとって、詩が重要視された背景には、ハワイが長らく文字を持たなかったことが関係していると考えられています。詩と、そこからはじまるフラは、ハワイの神話や歴史(家族の系譜や功績なども)、ネイティブ・ハワイアンの精神を教え伝え、継続させる役割を持っていました。

 フラの振り付けは、詩の内容に基づいてなされていて、フラと言葉を分けて考えることはできません。ハワイでは伝統的に、言葉それ自体に力が宿っていると考えられてきました。「死は言葉にあり、生は言葉にあり」(Pukui 1983)は、ハワイの有名な諺ですが、「言葉は人を傷つけることも逆にそれを癒すこともできる」ということを意味しているそうです。言葉には、生死をも左右する力があるというハワイ先住民の考え方(※注2)は、日本の言霊信仰を思わせ、前述の自然に宿る神を信仰する点なども、私たち日本人の精神性と近しいものを感じずにはいられません。

(※注1)
「フラ(hula)」という言葉を語源の観点からみると、正確には「ハワイの伝統的な踊り」のみを指す言葉のようです。ハワイには、フラ以外の踊りが存在しなかったため、西洋諸国から新たな踊りが入ってきた際、「フラ」という言葉が充てられたと考えられています。例としては、社交ダンス→「フラフラ(hulahula)」、バレエ→「フラフラ・パーレー(hulahula pale)」などがあります。

(※注2)
言葉に宿る力をはじめ、ハワイには生命のあるなしに関わらず、あらゆるものに霊的なパワー「マナ(mana)」が宿ると考えられてきました。それは、ハワイ人の精神的な土台ともいえるもので、神々は強力なマナを持っており、高貴な人(酋長など)も偉大なマナを持っているとされていました。フラに用いるレイも、単なる装飾具ではなく、正式には、自然や植物に宿るマナを引き出すため、しきたりに乗っ取って手作りされます。

<こちらもご覧ください>

フラの歴史【1】
フラの歴史【3】
フラの歴史【4】

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